おっかなびっくり海外ツーリング

海外でツーリングしてみたい!バイク初級者の50代が大それた夢に挑戦します。

英国でのレンタルバイク

海外ツーリングでのバイクの確保

さて、今回の旅で最も重要なアイテム、バイクを手配しますよ!

ネットで調べると、一般的に海外ツーリングをするためのバイクの確保手段にはいろいろあるようです。

主だったところでは以下の3つでしょうか。

  • バイクをレンタルする
  • 自分のバイクを持っていく
  • 現地でバイクを買う

レンタルバイク

最もお手軽でポピュラーな方法がバイクをレンタルすることでしょう。

幸い英国においては、主要都市にいくつかバイクレンタル屋さんがあります。

日本だと、レンタル819さんといった大手チェーンがあったり、ホンダやBMWなどの正規代理店がレンタル事業をしていますが、英国の場合は、私が調べた感じ、大手チェーンはなく、家族経営や個人経営のお店ばかりでした。

もしかしたらハーレーについては正規代理店がやっていたかもしれませんが、当時私は中型の免許しか持っていませんでしたので、国外免許で乗れたとしても自身のスキル不足により安全のためハーレーを選ぶことはなかったので、最初から除外していて、よく調べていません。

バイク好きのオーナー店主が切り盛りしている感じがあり、在庫ラインナップにもそれぞれのお店の特徴が表れていますが、基本的には、日本でいうところの大型自動二輪ばかりとなっています。レンタルビジネスとしても、単価の高いバイク=大型バイクを貸したいということもあるでしょう。

私のレンタルバイク選びについては後ほど記載します。

自分のバイクを持っていく

前職の先輩が英国赴任・帰任において、ご自身の車を運んでいた方がいらしたので、自分のバイクを英国に運ぶことは、できなくはないでしょう。

しかしながら、英国はかなり距離的に遠く、ざっと調べただけでも片道50万円ぐらいかかりそうなのと、船舶なら日数がかかり、飛行機であっても前後の作業に相当時間を取られそうなので、やめました。

例えば3ヶ月とかかなりの長期間ならばレンタルのほうが高くつきそうなので、自分のバイクを持っていくというのはありですね。

自分用にカスタムした使い慣れたバイクを使えるというのは、安全にもつながりますのでできるなら持っていきたいです。

ただ、よく調べていませんが、税金とか現地法規に適合した仕様への変更などが必要かとか、いろいろとありそうで、初めてのバイクツーリングとしてはちょっとハードルが高いと思いました。

現地でバイクを買う

現地で外国人としての日本人がバイクを買えるなら、現地でバイクを買うというのもありですね。中古で買って売る。長期間であればレンタルより安い場合もあるでしょう。

今回はEnglandで3日、Scotlandで9日という使用期間なので、そもそも英国で外国人がバイクを買えるかどうかの調査など、バイ&セル作戦の検討はしませんでした。

レンタルバイクを選ぶ

ラインナップは大型がほとんど

さて、先にも書きましたが、英国のレンタルバイクは日本でいう大型バイクがほとんどです。

日本の中型免許しか持っていなくて、普段は250ccの空冷単気筒、車重160kg程度のバイク(Kawasaki Estrella)に乗っている私としては、大きいバイクは避けたいのですが、日本でいうところの軽二輪・中型二輪の250ccとか400ccといったサイズがありません。

日本の国外免許だと、海外では排気量とかの制限がないので、法律上はどんな車種に乗っても良いのですが、安全のために、乗りなれない車格のものは避けたいところです。

一応欧州にも、日本でいうところの中型っぽい「A2」という免許区分があり、出力35kW(47.6馬力)以下というグレードがあるようですが、A2のラインナップはごくわずかです。

私にとってはパワーよりも、シート高が問題で、私は身長170cm、普段は770mm程度のバイク(両足ベタ付きですが)に乗っていて、股下的に800~830mmまでがMAX。

大型バイクだと、そもそもシートが高くて乗れない車種が多く、バイクの種類もよく知らないので、小さそうなバイクを見つけてはスペックを調べるを繰り返して、車種を選ぶことになりました。

そして乗れそうなバイクをラインナップしているお店にメールで空き状況を問い合わせます。

ただ、6月、特に上旬は、バイク好きの方ならご存知かもしれませんが、英国では、「マン島TT」という世界的なレースイベントがあり、それに絡めたツーリングツアーが多く企画されているようで、レンタルバイクの供給が逼迫する時期です。

なので、そのバイクはその時期に空きがないという回答のお店もありました。

EnglandではHONDA CB500X

そういった数々の制約の中で、イングランド用にかろうじて確保できたのが、HONDA CB500X。

CB500Xは、HONDA 400Xの海外版、というか、400Xが500Xのボアダウン版という話もあるようで、いずれにしても兄弟車種ですね。これなら国内で400Xをレンタルして練習ができます。実際に3回ぐらい400Xを借りて練習して、非常に気に入ったので、帰国したらこれを買おうと思ったほどです。

ところが、後に現地で気がつくのですが、500Xのシート高は830mmと30mm高い!なんとか実用範囲ぎりぎりでしたが、例えば850mmだったらつま先ツンツンで爆死してましたね。

ちなみにレンタルしたお店は、ロンドン郊外のこちら。

Superbike Rental

www.superbikerental.co.uk

所在地はロンドン中心部から電車で約1時間のBrentwoodという町で、Brentwoodの駅からさらにタクシー(駅を出たところにタクシー事務所が併設されているので目的地を告げて手配していただく)で20分弱行った所で、牧場の真ん中にあります。

旅では大きな荷物を抱えて移動するので、予約時は「ちょっと不便だなぁ」と思ったのですが、実際に借りると、慣れないバイクですから、走り始めは交通量の少ない田舎道のほうが安全だと思いました。

メールでの問い合わせ対応をTrinaさんがなさっていて、レスポンスが非常に早く、私のような英語がつたなく、レンタル経験のない利用者を手厚くサポートいただいたおかげで、安心して予約を進めることができました。

お店のご主人はダンディな英国紳士Markさん、バイクの対応は精悍な顔立ちのBrianさんで、先のTrinaさんも含めお三方とも信頼が置ける方。さすがロンドン近郊のしっかりしたサービス、という印象でした。

お店全体も非常に清潔できちっと整理整頓されて気持ちの良い空間でした。

バイクの状態も極めて良く、私の借りた500Xは倒立フォークの最終2022年式で、コンディションも新車同然。オプションでつけていただいたパニアケースは新品でした。後に、私がこかしてしまうのですが、大変、タイヘン申し訳ありませんでした!!!(もちろん修理代はお支払いしましたが、それは後述)

私はタンクバッグを取り付けようとしたら、最初は養生テープで保護してもマグネットでの取り付けは不可とされました。本当にピッカピカの車体だったので、確かに普段の自分のバイクの感覚ではダメだなと思い、反省でした。日本ではおなじみの「養生テープ」は、英国では見慣れないものとのことでした。が、養生テープは弱い接着力で塗装を傷めないことをご理解いただき、もし傷がついたら費用負担という条件で最終的には許可いただきました。

ちなみに、レンタル期間中に荷物を預かってもらえるので、私はキャリーカートを預かっていただきました。もちろん預け荷物についての保証はないですけど、積載が限られるバイクでは大変ありがたいです。

私と同じタイミングで来ていた米国人の方は車(レンタカー?)ごと置いていっていたようです。土地に余裕のある田舎ならではです。

ロンドン近郊で借りるなら、非常におすすめです!

ScotlandではRoyal Enfield Himalayan (411)

スコットランドでバイクをレンタルするときに考えたいのが、どの都市で借りるかです。

なぜならスコットランドでは首都のエディンバラ以外に、さらに北方の観光都市インヴァネスで借りるというのも選択肢だからです。

インヴァネスはNC500のスタート&ゴール地点であったり、スコットランド観光の主要都市です。私の乗る寝台列車のCaledonian Sleeperもインヴァネス行きがあり、どちらの都市でもレンタルバイク屋さんがあります。

今一度スコットランド全体を眺めますと、インヴァネスは主要な観光エリアに囲まれています。

特にNC500攻略に有利な位置関係にあります。

しかしながら、私はエディンバラで借りて返すこととしました。理由にはいくつかあって、

  • 帰国のフライトがエディンバラ発
  • 首都であるエディンバラ観光もしたい
  • NC500攻略にこだわらなかった

といったところです。

どのみちフライトのためにエディンバラに戻って来る必要があったので、エディンバラまで「自走」するイメージで、その区間にも大きな国立公園があるので、見どころには困らないでしょう。

また、最終日はエディンバラに泊まってエディンバラ観光もしたいと考えていました。

くわえて、NC500について調べていくと、NC500の東半分は風景的に面白みに欠けるというコメントがいくつか見受けられ、日程も限られる中でNC500一周達成にこだわる必要もないかなと思ったからです。

ということでエディンバラでバイクを探し、Royal EnfieldのHimalayan(411cc、2021年式)を借りました。

空冷単気筒のネイキッド、シート高が800mmと、当時乗っていたEstrellaと似たような感じでしょう。

予約時点では大型免許を持っていなかった私としては400ccに近いサイズ感のバイクが借りられるのは安心感がありました。

当時はRoyal Enfieldというメーカーも知らなくて、へ~、インド産?という感じで、ちょっと信頼性という観点では不安ですが、これも体験と思い、チャレンジしてみました。

借りた業者さんはこちら。

Bikerbnb Adventures

bikerbnb.com

このお店は、エディンバラ中心からタクシーで西へ15分ぐらい行った住宅エリアにあり、Saltire Motorcyclesというバイク屋さんの大きなヤードの中に間借りしていました。

現地に行って初めてわかったのですが、ここの拠点はひとつの大きな倉庫のような建物の中に3つぐらいのバイクのお店が同居していて、Bikerbnbはその中の1店舗で、オペレーションは1名で回しているようでした。メールのやりとりでも非常に親切にご対応いただきましたが、なにぶんワンオペですので、レスポンスは少しかかるので、すぐすぐの回答を期待してはいけません。

お店ではカナダ出身のフレンドリーなTimさんが対応してくださり、日本からお土産のお菓子をいくつか持っていったら、お礼にとお店のロゴのキャップとTシャツをいただいてしまい、どうみてもいただいたモノのほうが価値があるので、なんか「わらしべ長者」になった気分です。

Timさんによると日本人の利用者は初めてとのことで、このキャップとTシャツは日本に1つしかないと思います。キャップのデザインも、Tシャツのバックプリントもカッコイイですね。

ちなみに、レンタルした車体はキレイではありましたが、いかんせん2021年式ですので、それなりの中古感はありました。ですが、ピカピカでない分、むしろ扱う上では気が楽なので良かったです。タンクバッグ(養生テープ付)やハンドルバーへのガジェット取り付けも特に問題なくOKでした。

なお、執筆時点(2024/11)でBikerbnbさんを再び調べたところ、そこの拠点は2024/9/5に閉鎖されたようです。しかしながら、エディンバラでのレンタルやツアーのビジネスは継続していました。ネットの時代なので、リアル店舗を構えなくても、レンタルやツアーはできるんでしょうね。

レンタルの流れ

大手レンタカーだと高度にシステム化されているので、Webサイトで簡単に予約ができますが、レンタルバイクの予約は、Webサイトだけでなくメールで何往復かのやりとりが必要です。

レンタル申込み(問い合わせ)

まずはレンタルショップのサイトで借りたい車種と日程など最低限の必要事項を入力して申込みを行い、ショップからのメール返信を待ちます。

私は英語での電話が苦手なため、電話よりメールでの対応を希望と追記しておきました。バイクの手配でミスるといけないので、しっかり文面で確認しながら進めたいということもあります。

返信まで2営業日ほどかかる場合もあるでしょう。休業日はショップによって異なりますが、サイトやショップのSNSで休業についてチェックしておくと良いでしょう。

そもそもお店の休業日はレンタルの借受け、返却の日程に影響があるので、業者選定の段階でチェックする必要がありますね。

レンタル内容の確定

希望の車種が希望の日程で借りられるかの回答がメールで来ます。

希望の車種が手配できない場合は、他の車種で検討するか、日程をずらせるかなど調整です。

私の場合は、ほとんど日程をずらせないので、最初の1店目で希望の車種の空きがなく、大きめのバイクを提案されましたが、お断りして、別のお店を当たりました。

バイクが確保できたら、レンタルオプションのやりとりを行います。

今回私はパニアケースだけレンタルし、ヘルメットなど身につける装備は自前、ナビも使い慣れた自分のスマホを使うことにしました。

パニアケースを借りるかは迷いました。とある海外ツーリング(南米?)をなさっている方が、私の持っているのと同じような防水の振り分け式サイドバッグをメインに使って旅をされていたので、重心も低くできてよいかなとも思いました。

ただ、スコットランドのツーリングだと防寒衣類が結構かさばり、サイドバッグだと片側に入らない可能性もあり、またリアホイールへの干渉を防ぐためのサイドバッグサポート、あるいはパニアケースホルダーのようなものがバイクに装着されていないと不安です。

結局メインバッグはシートバッグとし、重めの荷物やバイクに置きっぱなしにしたい用具を入れるため、パニアケースをレンタルしました。

これまでパニアケースを使ったことがなかったので、試してみたいという気持ちもあったと思います。

あと、走行中にUSB電源を使う場合は、ポートの有無や種類をあらかじめ聞いておいたほうがよいでしょう。

調査票への回答

レンタカーと大きく異なるのは、私が借りた2つのレンタルバイクショップとも、詳細な調査票への回答が求められます。

質問項目はショップが提携している保険会社によって異なりますが、免許取得歴、バイクや自動車の運転経歴、事故歴、病歴などが聞かれます。

正確に回答するためには、過去の記録を調べる必要があって、面倒ではありますが、高い保険が無効にならないようにするためにも、きっちり調べて回答しました。

書類スキャンの送付

パスポート・日本の免許証と国外免許証のコピーを求められるので送ります。パスポートや国外免許証は、提出期限までに提示すればよいので、予約時点で揃えておく必要はありませんが、送り忘れないようにします。

ショップによっては(Superbike Rentalさんがそうでした)、定住先住所(Permanent Address)の証明として、公共料金や銀行の取引明細書などに記載された住所のコピーを2つ提示するよう求められました。予約時点のものではなく、実際のレンタル開始日になるべく近いものを提示するよう求められ、旅の出発日の3週間前に提出しました。

このように書類スキャンの送付は何回かあるので、タスク管理しておく必要がありそうです。

保険について

レンタルショップの保険

大事な大事な保険ですが、普通はレンタルショップが提携している保険に強制的に入らされます。

補償条件はショップによって異なりますが、レンタカーと違ってシンプルで付加できるオプションなどの選択肢がありませんでした。

その分、Terms and Conditions(約款のようなもの)を、できる限り読んで理解しておきます。

基本的には、第三者に対する損害賠償保険と車両保険のみと考えればよいようです。自身のケガや自分の身の回り品の盗難については含まれていません。

損害賠償保険(Third party liabilities)は、基本的に「デポジット」(保証金)以上の金額は無制限で補償されているようです。デポジット(全額または一部)は免責額として支払われ、返ってこないということだと思います。

車両保険も同様で、デポジットを免責金として充当することで、それ以上の負担はないという理解です。

デポジットの金額はレンタルショップが提携している保険会社によって異なるようで、今回のショップだと以下の通りです。

Superbike Rental (England):£3500

Bikerbnb Adventures (Scotland):£1500

保険に入っていたとしても、海外でもし事故になったら「外国人」は絶対に不利だと思いますので、絶対事故は起こさないのは当然として、巻き込まれることもないよう、心に刻みます。10:0で先方が悪くても、事故に巻き込まれたら旅が台無しですからね。

海外旅行傷害保険

日本で海外旅行傷害保険にも必ず入りましょう。

レンタルショップが提供する保険には、自身の怪我や携行品の盗難などについては補償されません。

気の利いたショップなら、自分用にプライベートの旅行保険にも入ってください、とアドバイスくださいます。

今回、私が旅行代金を支払ったカードにも海外旅行傷害保険が付帯していましたが、今回の私の旅行は普通の観光旅行ではありませんし、バイク事故を想定すると自身のケガの発生確率や治療費も高くなるでしょうし、死亡リスクも一段と高くなっています。

特に「治療・救援者費用」を無制限に設定できる保険を選択しました。これは決して大げさではなくて、事故の場所によってはヘリを飛ばすこともあるでしょうし、家族が「私」を引き取りに来るフライト代も相当なものになるからです。

私はAIGの海外旅行保険に入りまして、治療・救援費用を無制限で一番安いWL2のプラン(21日間、ヨーロッパ方面、19,310円)にしました。

travel.aig.co.jp

グリーンカード保険

若干横道に逸れた話ですが、海外でのレンタルバイクを補償する保険について調べていると、ヨーロッパなどの海外ツーリングをしている方は「Green Card Insurance」という保険に入っているようです。

www.knopftours.com

「非居住者」が「国外登録のバイク」を運転する場合に適用できる保険のようで、EUのように国境が出入り自由な国々で使える保険のようです。

例えばスペインで借りてヨーロッパ各国を周遊するツーリングなら、スペイン以外で使えるというもので、スペイン国内ではレンタルバイクショップの提供する保険を使い、他国ではこのGreen Cardを使うことになります。

今回の私の旅程では英国グレートブリテン島から出ないので、グリーンカード保険は不要なので検討しませんでしたが、将来、複数の国を走る機会があれば、利用したい保険と思いますので、心に留めておきます。

逆にバイクツーリングで国境を越えることがあるなら、レンタルバイクショップが提供する保険の内容をよく確認する必要がある、ということでもあります。

料金とデポジットの支払い

レンタル内容と保険が決まれば料金の支払いですね。保険についてはノーチョイスだったりするので、レンタル内容だけで決まるようなものです。

料金体系はお店によってかなり異なりますが、私が借りた500ccクラスだと保険料込みで1日£100~150が相場のようです。

日数のカウントは借りる日と返す日の両方をカウントします。

またレンタル料金とは別に支払うべき「デポジット」(保証金)は、借りる日にその場でカードで仮払いを行い、返却時に請求がキャンセルされる仕組みです。

何かバイクにダメージを与えたら、その修理代がデポジットから引かれて相殺されるのかと思いましたが、私のやらかしたケースでは、デポジットは全額返還されつつ、別途修理代が請求されたので、保険を使わない場合は、相殺されないようです。

また、お店によって予約時に全額を支払わないところもあり(Bikerbnb Adventuresさんがそれ)、タスク管理が必要ですね。と言いつつ、私はBikerbnbさんへの残金の支払いを忘れており、レンタル当日に支払いました(汗)。

Super Bike Rental(Honda CB500X 2024/6/11-13)

レンタル料 3日間 £365(税・UK居住者向け保険料込)

UK非居住者用の保険料加算金 £35

パニアケース £35

レンタル料合計 £435(予約時に全額支払い)

デポジット £3500

・決済がWebでできず、3桁のセキュリティコードをメールで伝えるのがちょっと不安

Bikerbnb Adventures (Royal Enfield Himalayan 2024/6/14-22)

レンタル料 9日間 £900(税・保険料込)

手付金 レンタル料の25%(£225 残金は予約日の1ヶ月後までに支払う)

デポジット £1500

・パニアケースは標準装備扱いだった

・決済は支払用Webサイトへのリンクがメールで来る

契約書などを読んでおく

契約内容はレンタルショップによって異なるので、メールの文面、Terms and Conditionsや伝票はすべて目を通しておいたほうが良いでしょう。

いろいろ禁止事項があり、主なところでは以下のようなものがありました。

  • 指定された都市部での利用・駐車禁止
    Englandでは「ロンドン」での利用禁止
    Scotlandではエディンバラやグラスゴーのような大都市の大通りでの駐車禁止
  • 駐車時の施錠方法の指定
    駐車時は提供されたセキュリティロックで施錠すること
  • 1日の走行距離制限
    1日平均の想定マイルを越える場合は追加料金
    想定マイルはお店によって150マイル~200マイル(約240km~320km)

上記を多少補足すると、「ロンドン」の定義は微妙ですが、ロンドン外環道路のM25より内側に入らなければ気にすることはないとのことでした。元々ロンドン中心部に行く予定はないので問題ありませんでした。

また、ロンドンや大きな都市ではバイク窃盗団がご活躍とのことで、そもそも都市内での宿泊は避けたほうが良いということになります。

提供されるロックで施錠しておかないと盗難時の保険適用が少なくなる可能性から、必ず使うことになりますが、提供されるものによっては「ロック」自体が荷物になるので要注意です。Englandでは小さいディスクロックで良かったですが、Scotlandではかさばるベルト型チェーンロックでした。

走行距離制限があるので、距離ガバな人はあらかじめ相談しておいたほうが良いでしょう。私は北海道ツーリングの経験から1日平均で最大240km(150マイル)あれば大丈夫と思い、実際問題ありませんでした。

レンタル予定のバイクに乗る練習

当時私はKawasaki Estrella (2015)、250ccの空冷単気筒、車重が160kg程度に乗っていたため、今回借りる500XやHimalayanは、いずれも私にとって「大きい」バイクとなるので、事故防止のためにも予め日本で練習しておいたほうがよいと考えました。

レンタルバイクで練習

まず、500Xについては、とりあえず400Xで練習できると思い、レンタル819さんで3回ほどレンタルして、装着予定の機材が付けられそうかの検証や、乗り味の感覚に慣れる練習をしました。

www.rental819.com

ただ、実際に借りるのは500Xなので、違うだろうなぁとは思っていて、実際にシート高が30mm高く、現地でちょっと冷や汗でした。

試乗車で体験

スコットランドでレンタル予定のHimalayanは排気量が411ccと、日本ではギリ大型扱いなので、予約した2024年1月時点では中型免許しか持っていなかった私は日本で乗ることができませんでした。

その後、大型免許を取ったことで、乗れるようになりましたが、レンタルしている業者さんを見つけられず、このまま未経験で行くのも心配だったので、ディーラーで試乗しました。

当時は、帰国したら、400Xに乗り換えようかなと思っていて、Himalayaにも興味があり、気持ちの半分は購入検討としての試乗でした。

もちろん試乗だとあまり長時間乗れないため、体感はほんの触りだけですが、全く乗らないよりかはマシだと思って乗りました。

スペック上はシート高が800mmとのことですが、試乗車のサスの設定なのか体感では830mmぐらいに感じて、これは現地で苦労しそうだなと思ったのですが、実際の現地では積載していない状態でも800mmの体感で、むしろベストフィットな感じで良かったです。

大型免許を取ろう!

レンタルバイクで400Xを乗りまくるのでも良いのですが、回数を乗るならレンタルは安くないです。それでも事故防止の観点から、もっと練習したいと思い、それなら大型免許を取るほうが安くて安全な練習になると考えました。

中型免許から大型免許を取得するには、実技で最短12時間ですから、繁忙期の春休みシーズンを避けて、4月上旬に入校しても、5月には取れるでしょうから、旅の6月に間に合うという計算です。

まあ、無職の特権で平日日中の時間はどこまでも融通が効きますので、キャンセル待ちは並びたい放題です。

55歳で大型免許に挑戦するのは、これはこれでブログのひとつになってしまいそうなエピソードがありますが、ここでは割愛します。結果的には卒検は2回落ちて3回目に合格しました。40代の頃に得意だった一本橋が、苦手になっていてショックを受けました。

レンタル予定のバイクを買う

究極の練習は、レンタル予定のバイクを買って練習する、ですね。

最初はバイク乗りの友人からこのアイデアを聞いて、何冗談言ってんの、と思いましたが、実際に行ってみて、大いにそうすべきと思って帰国することになります。

やはり普段乗り慣れていないバイクで、ましてやバイク初心者の私ですから、慣れるまで3日ぐらいかかるんですよね。

安全運転のためにも、例え異なる個体であっても、同一車種に普段から乗っておいたほうが良いのは間違いないです。

実際に借りてみて

今回初めて海外でバイクをレンタルしましたが、良かった点、問題だった点と改善案を以下に記します。バイクの装備や持ち物などについては別途記事化しますので、特にレンタルバイクに関連したことについて記載します。

良かった点=次回も継続

  • レンタルするバイクに慣れておく
    慣れない交通環境で慣れないバイクに乗るのは安全面で心配です。レンタル予定のバイクを日本でなるべく乗っておいたのは良かったです。ハンドルまわりのボタンやメーターディスプレイの使い方にも慣れておくと現地でスムーズです。
  • なるべく対応する工具を調べて持っていく
    車載工具がないことを前提に、日本から汎用工具を持っていきました。実際にミラーの調整や、想定外の作業(キャリーカートの修理)で活躍しました。できればレンタル予定のバイクに合った工具にしておきたいです。車種によってはトルクスだらけだったりしますので、なるべく持って行く工具は調べておいたほうがよいと思います。
  • 普段バイクに装着しているアイテムを持っていく
    普段ツーリングしているスタイルをなるべく実現すべく、私の場合はスマホホルダーとヘルメットロックをハンドルバーに装着しました。キズをつけないように養生テープがあると安心です。
  • USB電源の有無を確認する
    私の場合はバイクにUSB電源があるとないとでは大違いなので、レンタル予約時に確認しました。とはいえ、安定して正しく動作しないこともあるので(接触不良だったり、ヒューズが飛んだり)、まる1日モバイルバッテリーで運用できるようにしておいたほうがよいでしょう。
  • パニアケースの浸水対策
    今回借りたパニアケースは2台とも雨で浸水しました(新品でも)。元々デイバッグ用に防水カバーを持っていっていたので、パニアケースに入れるときは防水カバーを装着してから入れたのでバッグが濡れることはありませんでした。
    他にも濡れて困る荷物には防水バッグに入れてから収納するとよいと思います。
  • チェーンルブを現地で購入
    チェーンルブは可燃性のエアゾール缶なので、預け荷物も含め飛行機に持ち込めません。とはいえ現地で数日走ると、特に雨の中を走ると、チェーンオイルがカッサカサになってしまうので、必須アイテムでした。英国のガソリンスタンド併設のコンビニはカー用品などを多く扱っているので、容易に入手可能です。
    当然、帰りの飛行機にも持ち込めませんので、最後にレンタルバイク屋さんに寄付しました。

問題だった点と改善策

<スキル>
  • 過酷な道路条件
    私のライディングスキルの問題です。海外だけに、日本にあまりない急坂や狭いヘアピンが普通にあります。日本でいうところの酷道です。実際に上り急坂左ヘアピンで立ちゴケしてしまいましたし、上り急坂右ヘアピンでも路面がめちゃくちゃ荒れているところではコケそうになりました。日本でもっと酷道対策のライディングスキル磨いていくべきでした。
  • バイクに慣れるまで時間がかかった
    レンタルバイクで事前に練習していても、それでもバイクに慣れるまで3日ほどかかりました。究極の対策としては、レンタル予定のバイクを買って普段から乗っておく、ということだと思います。半分冗談ですが、半分マジです。
<整備>

以下3つともHimalayanの話です。

  • タイヤの空気圧が低い
    最初からあまり空気圧が低かったのだと思いますが、どうもタイヤが柔らかく感じて、ガソリンスタンドで空気圧を入れようと思ったのですが、レンタル車の車体に適正空気圧の表示が見当たらず、あらかじめ調べていなかったので、とりあえず、エストレヤと同じノリで、前2.0、後2.3にしておきました。
    宿に帰ってオーナーズマニュアルをダウンロードして初めて正しい規定値が判明しましたが(前1.9、後2.4)、あらかじめレンタルするバイクの適正空気圧は調べておくべきでした。
  • クラッチの調整をすべきだった
    もともとクラッチが遠くて、まあそれはそれでギアチェンジがスムーズで良いのですが、振動などで勝手にシフトダウンする現象が発生したので、クラッチを調整すれば治ったかもしれません。
    クラッチとブレーキの調整方法はあらかじめ確認しておいたほうがよいでしょう。
  • USB電源が接触不良
    USB電源が装備されていても安定した電源供給ができず、結局モバイルバッテリーで運用しました。モバイルバッテリーを多めに持っていって良かったです。
<使い方>
  • メーターボタンの使い方がわからなかった
    トリップメーターのリセットをしたかったのですが、直感的にはわからず。
    オーナーズマニュアルのPDFは事前に入手しておき、トリップメーターのリセット方法を確認しておいたほうがよいと思いました。
  • バイクの時刻の合わせ方がわからなかった
    バイクに時計があれば活用したいものです。
    レンタルバイクだとレンタル直前までバッテリーが接続されていない可能性や、夏時間があったりと、時刻が合っていませんでした。
    ボタンの数が限られるバイクの場合、時刻合わせの方法は直感的にはわからないことが多いです。
    オーナーズマニュアルのPDFは事前に入手しておき、時刻合わせの方法を確認しておいたほうがよいと思いました。
  • 方角コンパスがズレていた
    Himalayanには電子コンパスが装備されていましたが、90度ぐらいずれていて、使い物になりませんでした。
    せっかくなので活用したかったのですが、オーナーズマニュアルを見てもアジャストの方法もよくわからずでした。強制的にキャリブレーションモードにするにはどうすればよいのかしら?そしてキャリブレーションモードになっても、8の字でゆっくり走れと言われても、都合よくそんな場所あるかしら?
  • 連携アプリ
    最近のバイクはアプリ連携できるものもあるので、対応アプリをダウンロードし、アカウントを作成しておくと、現地での利用がスムーズです。なくても問題ないですが、せっかくなので、利用してみたいですよね。

借りたバイクの実際

私はバイク初心者で、試乗レビューを書けるはずもないので、ここでは実際に借りたときの実体験を中心に書きたいと思います。

HONDA CB500X(2022)

400Xで練習していったものの、シート高は30mm高い830mmだったので、またがった状態での取り回しがやや厳しかったです。それでも両足の母指球がつく程度はあったのでなんとかなりましたが、普段の両足ベタ付きからは大きく違いました。

Motorway(日本でいう高速)での走りは、400Xとほぼ同じで全く問題がなく、合流時に譲られた時のダッシュや、追い越しなどもスムーズにできました。本当に良いバイクですね。

ただ、大変申し訳ないことに、上り急坂の左ヘアピンで膨らんでしまって左に立ちゴケしまして、キレイなキレイな車体に傷をつけてしまいました。ごめんなさい!

損傷箇所としては、クラッチレバーの曲げに加え、バーエンド、ミラー裏面、フェアリング、パニアケースにまんべんなく小さい傷を付けてしまい、全部で修理代£270(55,000円)をお支払いしました。ピッカピカの車体とパニアケースだったので本当に申し訳なかったです。

Royal Enfield HIMALAYAN(2021)

このバイクは空冷単気筒のネイキッドで、当時乗っていたEstrellaと非常にフィーリングが似ていたので、結果的にはベストな選択だったと思います。

重心が低く、199kgとは思えない取り回しの楽さ、当然トルクもEstrellaに比べてやや太いので、アップダウンの多いスコットランドでは力強い相棒となってくれましたが、気になる点は以下の通りです。

  • 高速道路は厳しい
    馬力は高々24PSなので、Estrella(18PS)と同様、ちょっとMotorway(高速道路)は厳しかったです。
  • 風に弱い
    風の強いスコットランドではもう少し重量級がよかったかもです。そうはいっても自分にとっては199kgは過去イチ重いバイクだったので当時ではそれが限界だったでしょう。500Xも199kgなので、このクラスでは仕方ないかもしれません。
  • ギア落ち
    クラッチ調整の問題なのか摩耗なのかわかりませんが、最初からクラッチが遠く、レンタル期間の最後の方ではちょっとした振動でギアが勝手にシフトダウンしてしまい、最終日に至っては何の前触れもなく走行中に突然ギア落ちすることもあって怖かったです。急激なエンブレに襲われるので、旋回中だったら事故るかもです。
  • USB電源が接触不良
    USB電源のポートがハンドルバーについていたのですが、コネクターが傷んでいるのか、USBケーブルを挿して一瞬通電するのですがしばらくすると断線してしまったかのように電源が切れてしまいます。自分で多少いじってみたのですが、安定した接触が得られず、結局日中はモバイルバッテリーを使用することにしました。
  • スタンドを上げてないとセルが回らない
    これは仕様のようで仕方ないですが、ギアがニュートラルでもスタンドを出した状態ではセルが回らないようになっているようです。
    私はバイクにまたがってからセルを回すことが多く、エディンバラで借りて市内で乗り降りしている際に、かかったりかからなかったりしたので、一度店に戻って質問したら判明した事実です。
    日本での試乗車がそうだったかな?と疑問に思いますが、実際に借りた個体ではそういう動作になっていました。
  • トリッパーは未成熟
    HimalayanにはGoogleの支援を得て作られた「トリッパー」というナビが装備されています。2021年式のHimalayanは距離と方向だけの表示なので、これだけでは実用には耐えないかなと感じました。さすがに誰でもそう思ったのか、2024年式のHimalayan450では地図が表示されるようになりましたね。日本のバイクやナビでも距離と方向だけをメインに表示するものがありますが、使いにくいと思います。
    またトリッパーを使うためには、スマホにRE Mobileアプリをインストールしてアカウント登録をする必要がありますが、このRE Mobileアプリがものすごいバッテリーを食うので長時間のツーリングでの利用は厳しいと感じました。アプリの省電力化を進める必要があるでしょう。