このページでは、海外でのレンタルバイクの積載装備について、検討した経過と実際どうだったかについて記述したいと思います。
積載プラン
容量のイメージを掴む
まず、積載関係のアイテムを決定するには、ツーリング時の積載をどのような形態にするかのイメージが必要です。
自分の数少ない長期ツーリングの経験である北海道のキャンプツーリングでは、
- シートバッグ(66L):衣類などメイン。シュラフ等寝具も
- サイドバッグ(25L+25L):キャンプ道具
- デイバッグ(22L):雨具など走行中に必要なもの
- ヘルメットバッグ:走行中は空っぽなのでつぶす
- タンクバッグ:アクションカム機材、モバイルバッテリー、バイクカバー
という積載装備で、サイドバッグは寝具を除くキャンプ道具で占有されていて、寝具関係はシートバッグに収納していました。
シートバッグ:WILD HEART「防水バッグ 66L(Amazon)」
サイドバッグ:WILD HEART「防水 サイドバッグ 50 L(Amazon)」
デイバッグ:ジャックウルフスキン「シリウス 22L(www.outnorth.no)」
ヘルメットバッグ」:DFG「ヘルメットバッグ (Amazon)」
タンクバッグ:タナックス「MOTOFIZZ タンクバッグGT ブラック MFK-001 (Amazon)」
今回はキャンプをしないので、キャンプ用具がない分、容量的にはサイドバッグがまるまる不要で、入れていた寝具が不要となったシートバッグの容量にも余裕がありそうだということになります。
海外旅行やレンタルバイクのために追加で必要になる荷物がどれぐらいになるか、というところがどうなるかですね。
ところで、キャンプしないの?と思うかもしれませんが、スコットランドは夏でも東京の初春ぐらいの気温なのと、それでいて雨もいっぱい降るので、計画段階でキャンプはしないと決めました。
実際に現地に行ってみると、キャンプはキャンピングカー100%なので、イングランドはともかく、スコットランドではバイクとキャンプの相性はよろしくないんですよね。
メインバッグをどうする?
一般的に海外旅行というとスーツケースというイメージですが、まさかバイクにスーツケースをくくりつける訳にもいかないです。
少なくともソフトバッグがメインとなるでしょう。
ネットで長期の海外ツーリングをしている方を何名か参考にしたところ、シートバッグに加えてサイドバッグも使っている方がいらっしゃいました。
確かにバイクの重心を低くするためには、それは良いアイデアと思い、一旦はサイドバッグの利用も検討しました。
しかし、サイドバッグがリアホイールや、車種によってはマフラーに接触しないようにする対策が確保できなかったため、重心を捨てて、今回はシートバッグをメインバッグにすることにしました。
もし、フレームタイプのパニアケースホルダーが装着されている車種であれば、サイドバッグも装着できたと思いますが、確実にするにはレンタル屋さんに写真を送ってもらうなどをお願いしなければならず、今回はサイドバッグにこだわりませんでした。
シートバッグの荷崩れ対策
シートバッグをメインにすると、シートバッグの左右が下に垂れ下がり、走行中の荷物のバランスが崩れやすくなるという問題が発生します。
北海道の時はキャンプ用のスノコを下に敷いていたので問題なかったのですが、さすがに今回はスノコは持っていきません。
TANAXさんのようなシートバッグであれば、このようなシェルベースが使えるので、これなら最強でしょうね。
タナックス「MOTOFIZZ キャンピングシェルベース(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
一方で私は、コストを抑えつつ、防水性を優先したので、防水シートバッグを導入したため、まあまあ大丈夫ではありますが、やや心もとないのは否めません。
WILD HEART「防水バッグ 66 L(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
今見たら、バックルでワンタッチ積載できる新型が販売されてますね!今買うなら断然こっちですね。TANAXさんのワンタッチ積載とか羨ましかったので。
WILD HEART「防水バッグ 66L(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
すのこや板を持っていく訳にもいかず、今回レンタルするバイクではパニアケースのオプションがあったので、左右への荷崩れを防止するためにパニアケースをレンタルすることにしました。
バイクのメンテ関係など、バイクに入れたままでよいものや、重めの荷物を収納しつつ、少しでも重心を下にできるというメリットもありますし。
また、パニアケースというものを使ったことがないので、どんなものか使ってみたかったというのもあります。
当初の積載イメージ
ということで、今回の計画段階において積載イメージは以下のように考えていました。
フル積載ツーリング時(全ての荷物を持って移動するツーリング)
- シートバッグ(66L):メインコンパートメント。ツーリング中に使用するものは入れない。
- パニアケース:工具バッグなど、バイクに置きっぱなしにしてもよいものを入れ、ツーリング中に使用するものは入れない。
- デイバッグ(22L):レインウェアなどツーリング中に使うものを入れる。シートバッグとリアキャリアにツーリングネットで結束。
- ヘルメットバッグ:不使用時はつぶして、シートバッグとデイバッグの間に挟む
- タンクバッグ:アクションカム、モバイルバッテリー、バイクカバー
ローカルツーリング時(宿に荷物を置いて周辺をツーリング)
- パニアケース:空
- デイバッグ:レインウェアなどツーリング中に使うものを入れる。リアキャリアにツーリングネットで結束。
- ヘルメットバッグ:つぶして、デイバッグの下に敷く。
- タンクバッグ:アクションカム、モバイルバッテリー、バイクカバー
実際の積載
計画と実際は常に異なるものです。実際にどうだったかについてコメントします。
パニアケース
今回パニアケースは2個所でレンタルしました。
イングランドで借りたCB500Xに装着されていたのは、中央から左右に割れるタイプ。新品でした。
結構良い製品だと思うのですが、一晩雨にさらされると思いっきり浸水しました。パッキンも新品で正しく装着されているにもかかわらずです。パニアケースは浸水しないと思っていたのでちょっとびっくりでした。
左右に割れるタイプの利点として、シートバッグ積載中にも開けやすいということがあると思うのですが、鍵穴の位置が内側なので、シートバッグが邪魔で、鍵を入れにくい。結局シートバッグをちょいとずらして鍵を入れるので、メリットが享受しにくい設計でした。ちょっと残念。
一方、スコットランドで借りたHimalayanに装着されていたのは、上にフタがついているタイプ。
中央から割れるタイプだと浸水することを知ったので、上にフタがついているのは心強いと思いきや、これも一晩降られると浸水しました。なぜ?まあそれだけ大量に雨が降ったということなのですが、フタから落ちる雨水が継ぎ目に浸透して、それがそのまま内部に伝わるようです。フタはシートバッグともろに干渉するので、シートバッグ積載中にはパニアケースは開けられません。
いずれにしてもパニアケースというものは浸水するものということを学びました。もっと良い製品を探せば浸水ゼロのものもあるのでしょうけど、レンタルレベルでは浸水することを前提に考えなければなりませんでした。
次回以降も、車種によっては、特にマフラーが上に装着されているバイクの場合は、パニアケースを借りることになると思うのですが、防水を考えたインナーバッグがあるとよいと思いました。場合によってはシートバッグを、インナーバッグx2に置き換えることが可能かもしれません。
レンタルできるパニアケースが不明なので、あらかじめインナーバッグを用意するにもサイズが確定せず、ある程度汎用性の高い製品を選ぶ必要があるでしょう。
例えばこちら。
GIVI(ジビ)「バイク用 サイドケース オプション品(OBKN37 / OBKE37 / ALA36用) 防水 インナーバッグ T506(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
世界のGIVIブランドなので、品質も信頼が置けますし、おそらく片側37Lのパニアケースというのは標準的なサイズなのではないかと思います。
ただ、一流ブランドゆえ、お値段が張りますね。左右2つ買うと27,000円!
せっかく一流品でもパニアケースとサイズが合うとは限らないので、似たようなサイズの防水バッグなら他のノーブランド製品でも良さそうです。
オウルテック「ドライバッグ 防水バッグ トートバッグ 3WAY 25L 防水 IPX4 取得 ショルダーストラップ付き(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
オウルテックのはサイズがジャストサイズよりわずかに小さめですが、形状のバランスがぴったりと思います。2つ買っても9千円なので安い!
もう少し大きめのがよいよ、ということでしたら、これも候補かと。
ヘンリービギンズ(Henly Begins) デイトナ「バイク用 シートバッグ 防水 DH-766(Amazon)」
引用元:www.amazon.co.jp
30Lなので5Lだけ拡張。しかもバイクブランドなので、単体でも使いやすそうです。同じブランドのシートバッグとも連結できるようなので、既存ユーザーなら検討したいですね。
ただ形状が直径30cmの円筒形なので、パニアケースに入れるとなるとどうでしょう?悩ましいところですね。
高々5千円なのと、単体でも使いやすそうなので、1個買ってテストしてみるというのもありかと思います。
実際の荷物配分
浸水するパニアケースには閉口したのですが、それでもパニアケースの収容力は魅力でした。
当初、デイバッグや潰したヘルメットバッグは、ツーリングネットでリアキャリアやシートバッグに結束する予定でしたが、パニアケースに空きがあるので、デイバッグとヘルメットバッグはパニアケースに収容することにしました。
デイバッグ用の防水カバーを持っていたので、デイバッグは防水カバーをつけた状態で収容します。
ヘルメットバッグは防水対策なしですが、中身は空か、濡れても困るものはないので、つぶして入れます。
レンタルショップから貸与されたバイク用のワイヤーロックもパニアケースに入れます。積載を降ろして、宿の駐車場に一晩停めるときに使いますから、パニアケースに入れるで問題ありません。
デイバッグをパニアケースに入れることにしたので、荷物配分は変更です。
- タンクバッグ:雨具関係、アクションカム機材、モバイルバッテリー、おやつ
- パニアケース:デイバッグ、ヘルメットバッグ、バイクカバー、バイクロック、工具バッグなどバイクメンテ用品
- デイバッグ:メディカル関係、傘、追加の防寒具など
- ヘルメットバッグ:空(降車時にヘルメット、グローブ、USBケーブルを入れる)
- シートバッグ:メインコンパートメント
- ツーリングネット:飲料ボトルを結束することも
ざっくり言うと、雨具関係をデイバッグからタンクバッグに移し、タンクバッグにあったバイクカバーをパニアケースに移動しました。
雨具関係は結構かさばりそうですが、収容時はきちんと畳めば良いですし、日によっては着たままだったりするので、それほどタンクバッグを圧迫しません。
もともとこういうフォーメーションであるべきだったのかなと思いますが、雨が多い地域をツーリングすることで洗練されて、ここにたどり着いたという感じでしょうか。
通常はツーリングネットを使わずに済むので、その分積載力のゆとりができ、荷崩れリスクも少なくなって良くなりましたね。