データ通信の確保
ツーリングでは必須のデータ通信
私は50半ばのオッサンなので、若かりし頃、ルート計画は紙の地図で行ったものです。ですが、スマホのナビアプリが登場してからというもの、すっかりスマホナビに頼りっぱなしです。
とはいえ、今どきのターンバイターンのナビは性に合わず、地図は上が北であるべきだし、自分がどの位置を走っているかをトレースしてくれるナビが好きなタイプ。
休憩中はスマホナビより紙の地図をニヤニヤ眺めてるヘンタイです。
要は「地図」が好きなので、ツーリング中もしっかり地図を眺めていたい。
英国ツーリングではGoogleマップをナビに使っていたので、その日の行動プランに応じてオフラインマップをあらかじめダウンロードしておけば、ナビをする上での最低限の情報としては使えますが、取得できる情報に制限もあり、やや不便です。
やはり電波が入るところではデータ通信を使いたいですし、マップ以外のネット情報にアクセスするにはやはりデータ通信が必要です。
ahamo海外ローミングの2週間制限
国内でのデータ通信について、私は都市部での繋がりやすさ以上に、辺鄙なところでも繋がることに重きを置いているので、ドコモ系キャリアが好きで、現在ahamoを契約しています。低コストキャリアではありますが、まあそれほど格安という訳ではないものの充分です。
私の契約プランでは毎月20Gのデータ通信枠がありますが、普段は毎月3~5Gあれば足りる感じで、過去に2週間ちょいの北海道ツーリングでは8Gぐらいあれば大丈夫な使用量感です。
ahamoの良いところとして、海外ローミングも付帯していて、その20Gの枠をそのまま海外でも使えるのです。今回の3週間ぐらいの旅行においても20Gあれば充分です。
しかしahamoの残念なところとして、その海外ローミングは2週間という期間制限があり、それを超えると使い物にならない速度に落ちてしまいます。
私も会社員としての現役時代であれば2週間以上の休みなど取れるはずもなく、2週間を超える海外ローミングは不要だったのですが、引退してから旅行期間に制限がなくなったので、このahamoの2週間制限は痛いです。
海外ローミングでの現地キャリア
また、国内キャリアの海外ローミングで気になるのは、現地の提携キャリアが自分の行動範囲を充分にカバーしているかということです。
海外ローミングで、どこそこの国に対応してます、と言っても、現地の提携キャリアがどこになるかが不定であったり、また、その提携キャリアが自分の行動範囲をカバーしているか、カバーしていても充分な速度が出るか、といったところが実用上は重要だったりします。
よくある海外用のレンタルモバイルWiFiルーターだと、現地の提携キャリアを開示していないものもあるので、そういうのは避けたいです。
まあ都市部や町中だけの観光しかしないならそれで充分ですが、ツーリングライダーにとっては、町中でのカバレッジよりも、町を出た後の道中での通信が重要だったりします。
スコットランドツーリングに最適なキャリアは?
今回はEngland南部とスコットランド北部を中心に周りますが、England南部は比較的開けた地域ですので、まあどのキャリアでも(Vodafone以外)だいたい大丈夫ですが、問題はスコットランドです。
スコットランド北部、いわゆるHigh Landと呼ばれる地域は風光明媚なだけに、モバイル通信のエリア化がそれほど進展していない地域でもあります。
どのキャリアがベストなのかを考えるうえでは、キャリア別のカバレッジマップを見るのが一番でしょう。
この手の比較サービスはいくつかありますが、例えばこちらのnPref.comというサイトで、United Kingdomを指定し、いくつかのキャリアのカバレッジを参照できます。
この図でいうと、スコットランドにおいて、特にツーリングロードとして重要な西側から北部にかけての沿海において、5Gのムラサキや、4G+の赤のエリア網が一番広いのがEEというのがわかります。
EE

Vodafone

O2

Three

他のキャリアだと電波が入るエリアが少いとか、入ってもオレンジ色の3Gだったりするので、EEが良さそうです。
このEEというキャリア、調べるとBritish Telecomのグループ会社だそうで、日本でいうところのdocomoという感じでしょうか。やはり地方のエリア網がしっかりしているのは国策キャリアということになるのでしょうね。
実際のところ
英国のSIMはコンビニ・スーパーでも入手可能
ということで、ahamoに海外ローミングが付帯しているものの、2週間制限もありますし、地方に行ったときにパフォーマンスの良いキャリアを掴んでくれるかという不安もあるので、ロンドンに入ったら早めにEEのSIMを調達することにしました。
ただ、英国のモバイル事情をよく知らなかったので、とりあえずGoogle MapでEEの代理店を探して、SIMを購入しました。
が、その後、英国内をあちこち旅する過程でわかったのは、各社のSIMはコンビニやスーパーなどでも簡単に手に入るということでした。
したがってわざわざ代理店に行く必要もなかったので、購入場所という点ではちょっと失敗でした。

SIMピン忘れた!
さあSIMをゲットしたまでは良かったのですが、ここでまた失敗。
SIMピンを持ってくるのを忘れたのです。
あんなのそこらへんのクリップで代用できるっしょと思ってタカをくくっていたのですが、あちらでは日本であるようなクリップはなかなかなくて、サステナブルな紙ホチキスとか、逆にゴンぶとの細釘のようなクリップしか見当たらず、困った、困った。
結局どこかの高速SA施設にテナントで入っていたカジュアルなケータイ屋でSIMピンやSIMソケットのセットをわざわざ購入しました。ほんと失敗。
自宅にいるときは普通にいくらでも手に入るものも、海外の旅先ではなかなか手に入らないという実例です。
SMSが受信できない!
当時私が使っていたスマホはデュアルSIMではなく、eSIM非対応のシングルSIMスマホでした。
なので複数のSIMを使うときは、いちいちSIMピンを使ってSIMを入れ替える必要がありました。
実際のところ、ahamoのローミングは結構良い仕事をしてくれて、激遅なキャリアを掴むこともなく、それなりの速度が出たので助かりましたが、2週間制限を超えたところで、終了!
いよいよEEのSIMだけで残りの一週間を過ごすことになったのですが、困ったのはSMS認証。
海外SIMを使っての旅行は初めてではなかったのですが、自分が使っているネットサービスが、以前より二段階認証を採用しているものが増え、特にSMSに送信された認証コードを時間内に入力するような認証システムが多くなりました。
SIMを入れ替えてしまうと、本来の自分の携帯番号向けのSMSが受信できないので、当たり前ですが、認証コードを受信できません。急いでahamoのSIMを入れ替えるも、今度は2週間超えでデータ通信が激遅いため、アプリやサイトが使い物にならない。
出先では、そんなにっちもさっちも行かない状況になりました。まあ宿やレストランに行けばWiFiがあるので、ahamoのSIMでSMSを受け、アプリやサイトはWiFiで動作できますからなんとかなりますがね。でもまあ不便でした。
SIMなんて普段は入れ替えないので、特に屋外で入れ替えなければならない時とかは、風で飛ばされたりしないか、うっかり落として失くしそうでヒヤヒヤしました。
次回に向けて
eSIM対応デュアルSIMスマホ
物理SIMスロットがひとつしかない機種で苦労したので、eSIM対応のデュアルSIMスマホに買い替えました。ちょうど以前の機種が4年経過して、そろそろ更新しようかなと思っていたところでした。

やはり物理SIMを現地で調達するのは面倒ですし、eSIMならネットで事前に購入できるので現地での時間の節約にもなります。
日本でも一部の海外SIMを購入できますが、ものによっては高かったりしますし、キャリアによっては入手困難だったりするので、eSIMが良いと考えています。
なお、SIMをアクティベーションできる地域に制限がある場合もあるので注意です。
例えばキャリア本国内でないとアクティベーションができなかったりするSIMもあるようです。
日本国内で海外SIMをアクティベーションできれば、事前の準備が進められるのでよい面もありますが、利用日数のカウントが始まってしまうなど、デメリットの面もあるので、それぞれのSIMやプランをよく確認する必要があるでしょう。
各社のSIMプランもいろいろありますが、期間やギガ数のラインナップが自分の旅に最適なものがあると良いですね。
ギガ数については、私の場合、一週間あたり5Gもあれば充分と思います。3週間なら15Gといったところでしょうか。