英国はキャッシュレス先進国
海外への旅では、現地で使う「お金」をどう支払うのか、支払い手段の準備も重要になってきます。
私の最後の英国への訪問は、仕事の出張で2016年でしたので、今回の2024年は8年ぶりということになります。
当時は、それなりの量の「現金」と「クレジットカード」、そしてロンドン市内を往来するための「Oyster Card」、東京でいうとSuicaみたいなもの、があれば完璧でしたが、今はどうなんでしょう?

普通の生活においては現金不要
ロンドン駐在の友人の話によると、支払い手段は、コンタクトレス決済の「タッチ式クレジットカード」「Apple Pay」「Google Wallet」などにほぼすべて置き換わったとのことです。現金はまず使わないとのこと。またOysterカードもまだ使われているとのことです。
私が昔、英国に長期滞在した90年代後半においては、ネットの速度も激遅で、ITサービスは遅れているという印象だった英国が、ここまで進化したというのには耳を疑いましたが、そうらしいです。
友人によると、コロナ禍で一気にコンタクトレス決済が広がったと。なるほどですね。
ネットで見つけた資料によると、ちょっと数字は古いですが、2022年の主要11カ国において、英国のキャッシュレス決済普及率は5位の64%(韓国99%、中国84%、豪州76%、シンガポール66%)で、日本は10位36%(泣)。
https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/179.html
出展:一般社団法人キャッシュレス推進協議会の公表データを基にニッセイ基礎研究所作成
その後も、英国ではさらにキャッシュレスが普及し、2023年の現金決済比率は12%という報道もあり、急激に広がっているようです。
友人によるとキャッシュレス決済のみというお店もあるらしいです。まあこれは東京でもたまにありますわな。
また、ストリートミュージシャンや大道芸人もQRコードを置いているそうです。逆に困っているのはホームレスらしいです。現金をみんな持ち歩かなくなったのと、QRコードでお金を受け取る手段すら持っていないので、厳しいとのこと。なるほど...。
紙幣も変わった
ちなみに、2010年代に私が訪英した時に余ったポンド紙幣(上記写真参照、日本円にして1万円もなかったけど)はもう使えないよ!とのこと。
もうエリザベス女王じゃなくてチャールズ国王になったので、紙幣も全面刷新されたそうです。確かに!
銀行の窓口で交換してもらえるそうですが、金額も知れているし、忙しい旅の途中にそんなこともしてられないので、友人宅に泊めてもらうこともあり、友人に譲ることにしました。
持って行く決済手段
キャッシュレス決済天国の英国に行くにあたって、以下の決済手段を持っていくことにしました。
スマホタッチ決済(Google Wallet/Apple Pay)
私は古くからキャッシュレス決済派のため、おサイフケータイを使っており、そうなると必然的にAndroidとなります。
おサイフケータイは画面ロックを解除しなくても決済できるので便利なんですよね(落としたらアウトだけど)。
ま、今回はおサイフケータイは使えないので、Google Walletに登録したクレジットカードを使う、ということになりますね。
当時はEPOSカードを登録していたので、それで行くことにしました。
ただ、あまりEPOSは使いたくないのですけどね...。なぜかというとポイントを使うには、いちいちサイトにログオンして交換の手続きをしないといけないからです。
AmazonカードやPayPayカードのように、AmazonポイントやPayPayポイントに自動還元してくれるほうが使い勝手がよいと思っています。
まあスマホタッチ決済の場面がどれぐらいあるかわからなかったので、1枚だけの登録でヨシとしました。
クレジットカード
今回は以下のカードを持っていきました。
・Amazonカード(三井住友系 Master)
・楽天カード(VISA)
両方とも物理カードはタッチ決済対応です(Google Walletでのクレカタッチは不可)。
私はあまりクレジットカードのサービスに詳しくないですが、Amazonをよく使う、いわゆるAmazon経済圏の人間なので、なるべくAmazonカードを使うようにしています。
Amazon(三井住友)カードの難点はというと、カード会社による利用店への審査が厳しく、特に海外のサイトで買い物をすると、ほぼ毎回一回では通らず、3D決済となって、認証コードを入れる操作になって、なかなかコードが来ないとか、またサイトによっては入力画面への遷移に失敗するとか、海外取引に弱い印象があります。
そんなときは大抵、楽天カードを使えばすぐに通ることが多いです。ただ私は楽天経済圏の人間ではないのであまりここでポイントを貯めたくないというのもあります。
Oysterカード
ロンドンの地下鉄などは、スマホタッチ決済やクレジットカードのタッチ決済が使えるとのことですが、私の持っているOysterカードには残高が少しあったと思うので、使い切るべく持っていきます。まあぴったり使い切るのは難しいかもしれませんが。
もしかたら今回がOysterを使う最後となるかもしれませんね。
デビットカード
それと、万が一現金が必要になった時に備えて、上記クレジットカードによるキャッシング以外に、ATMで現金が降ろせる「デビットカード」も持っていくことしまして、
・PayPay銀行のキャッシュカード
も1枚持って行くことにします。一応事前にオンラインバンキングで海外のATMで現金が下ろせるように登録しておきました。
実際のところ
デビットカード忘れた!
ところが、持っていこうと思っていたデビットカード、普段持ち歩いていないものですから、財布に入れておくのを忘れまして、空港への往路で気が付きましたが、諦めました。
クレジットカードで海外キャッシングできますし、すぐに必要という訳でもないのと、PCも持ってきているので、現地で必要なオンライン手続きもできるかなと考えました。
ですが、カードによってはオンラインで海外キャッシングを有効にできなかったりするので要注意です。オンラインでできても、許可まで日数がかかることもあるようです。
まあ最悪友人に借りてもいいかなと...。
英国はキャッシュレス先進国だった!
さて、現地に入りまして、実際はどうか。
うむ、素晴らしいキャッシュレス世界が広がってました!
普通のお店はすべてキャッシュレス対応でしたし、本当にストリートミュージシャンはQRコードを置いていましたし、公共の有料トイレ50pですら、Google/Appleマークの端末が設置してあります。
昔のOysterカードもまだ使えたので残金を消費できました。
スーパーの買い物でも現金で払っているヒトはほとんど見かけず、1回だけかなり高齢のお婆さんがコインをちまちま並べていた光景を見かけました。
やっぱり高齢者には普及していないのでは?と思うかもしれませんが、英国の高齢者でもキャッシュレス決済の利用率は80%を超えているそうです。
ロンドンに入り、友人と合流し、遠く西方のド田舎のCornwall地方まで友人とドライブしましたが、ほとんど現金が必要になることがなかったです(古いパーキングメーターで一箇所だけ現金使いました)。
日本だと地方に行くと一気に現金比率が上がりますが、英国ではそれがありませんでしたね。おばあちゃん一人で店番しているちっさな土産屋でもカードのタッチ決済やスマホタッチができます。
それだけキャッシュレス決済が浸透していたというのは確かでした。
このままキャッシュレスで行けるんじゃね?と思いましたが...。
クレジットカードが拒否られる
デビットカードを忘れたのは仕方ないので、レストランやホテルではクレジットカードをメインに、スーパーやガソリンスタンド併設のコンビニ?ではGoogle Walletをメインに使いました。
英国では決済手段の半分以上が銀行口座直結であるデビットカードで行われているので、最も普及した支払い方法となっているそうです。日本ではなんで普及していないんでしょうね。ポイントが付かないからかな?
クレジットカードを使っていて困ったのが、メインのクレジットカードにしているAmazonカード(三井住友)が結構DECLINED(拒否)になる頻度が高かったことです。
これは日本から海外のサイトで決済するときにも頻発していたので予想通りですが、じゃあこちらのカードでと、楽天カードを出して承認待ちの間、これで拒否られたらどないしょーと不安でした。
まあだいたい楽天カードなら通りますが、稀に通らないこともあり、Google Wallet(EPOS)で払ったこともありましたが、ちょっとカード2枚では足りなかったかもです。
またGoogle Walletに登録したカードも1枚だけだったので、これももう1枚ぐらい登録しておいたほうが無難かと思います。
やっぱり現金少し要るよ!
さて、友人と数日ドライブをして、その後ひとりで、スコットランド行きの特急に乗るべくEuston駅に行き、多少時間もあるので周辺で洗濯でもできたらと思ったのですが、ランドリーマシンが、コインのみの伝統的な機材!なんとー!隅のほうにキャッシュレス端末が接続されたランドリーマシンもありましたが、英国らしく故障!で、現金のみ。ヲワタ。
Google Mapで周囲も調べましたが、行けそうな範囲のコインランドリーはどれも伝統的なコイン式のマシンでした。
洗濯については別途ページを設けますが、その後も結構苦労しまして、スコットランドの超田舎でもクリーニングを受けてくださる方を見つけたものの、個人経営なので支払い手段は現金のみでした。
なるほど、友人である英国駐在員の行動範囲では確かに現金はほぼほぼ不要だと言えますが、旅人にとって大事な、洗濯サービス界隈は現金が必要だったということです。
現金ニーズがほぼない世界が広がっているものですから、ATMもあまり整備されていない、されなくなってきている?ようで、田舎町のATMでカードのキャッシングを受けようとしたら、ATM自体が故障してました。まあ普通は誰も困らないから放置されているのでしょう。
ATMが整備されている都市部でしっかり現金を作っておくべきでした。
実際にどうしたかは、ちょっとイレギュラーな、おすすめできる方法ではないので、ツーリングの実録編で書こうかなと思います。
現金は£100ぐらいは持っているべきでした。
為替レートと手数料も気にしようよ
今回は初めての海外ツーリングということもあって思考回路に余裕がなく、とにかく払えればよいということで、為替レートとか手数料とか気にしていませんでした。
帰国して落ち着いてから、今回の旅行にかかった一連のコストを集計したところ、支払った外貨は日本円にして100万円程度にもなっていたので、改めて手数料や為替レートを気にしたほうがよいかなと思いました。
今までは、外貨での支払いは高が知れていたのですが、今回のように長期ともなると気になるところ。
クレジットカード払いによる外貨のコストは、執筆時点の英国ポンドの市況とカード会社の手数料において、Visa為替レートで0.43%、事務手数料2.20~3.85%でしたので、合計2.63%~4.28%ということになり、例えば100万円に対しては、約2.6万円~4.3万円かかったことになります。
他の決済手段をあまり調べていなかったので、他に取りようがなければ甘んじて受け入れるのですが、外貨口座から支払うデビットカードを使うと0.20%程度のコストで済むようです。100万円に対して2千円で済むと!
デビットカードはポイントが付かないものの、クレカのポイント還元は大抵1%でしょうから、それでも万円単位の違いがある、ということになります。
外貨口座デビットカード
さて、外貨支払いに関しては大失敗だった今回の反省を受け、外貨決済コストを抑える手段をネットで調べると、外貨口座から支払うデビットカードが良いようで、以下の4つがメジャーのようです。
それぞれ概要を記載しますが、正確にはもっと複雑な条件になっているので、詳しくは、それぞれの公式サイトでご確認くださいね。
といっても、記載方法が各社ばらばらだったり、FAQで検索しないとわからないとかで、調べるのが超タイヘンでした!
これだから金融機関はけしからんのぉ(元金融機関の私)。
Sony Bank WALLET(ソニー銀行)
為替レートが安いです。執筆時点で計算したところ、£0.23%、€0.09%、$0.10%。外貨支払いにおける海外事務手数料はゼロです。
外貨口座を開設し、日本円を入れておけば、手数料なしで、自動的にその為替レートが適用されて決済されます。
Google Walletにも登録可能で、タッチ決済に対応しています。
通常のショッピングではSony Bank WALLETがベストの支払い方法と考えています。
ただし、ATMで現金を下ろすときはATM事務手数料が1.79%かかりますので(他3社は手数料ゼロ)、現金引き出しでは利用しないほうがよいと思います。
Revolut
Revolut、聞いたことがないサービス名ですよね。いわゆる「銀行」ではなくて、「第二種資金移動業者」として日本の当局に登録のあるサービスです。
為替レートがSonyの次に安いです。£0.17%、€0.16%、$0.18%です。2番手(£ではTOP)といっても充分安いです。
万が一Sony Bankのデビットカードで決済できない場合のサブとして外貨をチャージしておいたほうがよいと考えています。£では為替レートが最安なので、英国ではメインかも!
Google Walletにも登録可能で、タッチ決済に対応しています。
そして、ATMでの引き出し手数料がゼロなので、現金を用意する手段としてはベストだと考えています。
ただ手数料無料の引き出しが、毎月25,000円相当までとなっているので、最低限の外貨現金を用意するための手段と考えたほうが良さそうです。
また、ATMでの引き出しに必要な物理カードを入手するには、配送料500円がかかりますが、そこまで明瞭会計になっていると考えています。
なお、現金を引き出す場合は、銀行振込でチャージした残高でないとダメ(クレカなどによるチャージは不可)なので注意です。
Wise
これも聞いたことがないサービスですよね。Revolutと同じ業態のサービスです。
為替レートはまあ普通といったところでしょうか。£0.54%、€0.50%、$0.52%です。海外事務手数料はゼロです。
残念ながらGoogle Walletのタッチ決済には対応していません。
ATM利用手数料はゼロですが、無料の引き出しは月2回、月合計£200/€200/$100まで、という制限がありますので、Revolutの現金引き出しでは足りないとか、Revolutのトラブルへのバックアップとして持っておくカードだと思います。
またデビットカードのブランドが、他3社はVisaなのに対し、これはMasterなので、その点でもバックアップとして価値があるかと思います。
なお、物理カード(タッチ決済対応です)の発行手数料は1200円です。ちょっと高いですが、クレカ払いでのコストと比較すると、必要経費と考えようかと思います。
GLOBAL PASS(SMBC信託銀行)
米国のCitibankが日本を撤退したときに、口座や支店網をSMBC信託銀行が引き継いだので、旧Citibank Japanが展開していたサービスが元となっているのだと思います。
為替レートは、£0.52%、€0.62%、$0.67%なので4社の中では最下位ですが、Wiseぐらいかちょっと悪いぐらいです。
Google Walletのタッチ決済には対応していません。
ATM利用手数料はゼロで、RevolutやWiseのような条件はないようです。
為替レートがWiseと同じぐらいなら、こちらは銀行ですし、バックアップとしてのWiseの代替としてこちらを持っておくというのもありだと思います。
番外:PayPay銀行
外貨口座のデビットカードではないですが、普通の円預金から支払うデビットカードの例として、PayPay銀行をみてみます。なぜPayPay銀行かというと、今回私が持っていき忘れたのがこのデビットカードだからです。
PayPay銀行の裏側には三井住友銀行がついているので、その点は安心してます。
外貨口座は開設できませんので、デビットカードといってもクレジットカード会社Visaが提供するデビットカードそのものとなります。
Visaの為替レートは、£0.43%、€0.42%、$0.38%と意外と高くないのですが、PayPay銀行がチャージする海外事務手数料が3.08%乗っかってくるので、出来上がり3.5%程度と、コスト的にはクレカと同じかそれ以上の水準になってしまいます。
Google Walletのタッチ決済には対応しているのは良いのですけどね。
ATMの利用手数料はゼロなので、利息のつくクレカの外貨キャッシングよりはマシといったレベルなので、上記4社のうち3社ぐらいを準備をしておけば、これの出番はないでしょう。
今後に向けて
今回の反省を受け、今後の海外ツーリングでの決済手段として以下を用意することにします。

Sony Bank WALLET
外貨ショッピング用として利用します。ただ£については次のRevolutのほうが有利ですので、通貨によって使い分けです。
Google Walletに登録してタッチ決済できるようにしておきます。
ATMでの外貨引出しには使わないようにします。
Revolut
ATMでの外貨引き出し用として利用します。£など、通貨によってはショッピングメインとしても活躍するでしょう。
これもGoogle Walletに登録してタッチ決済できるようにしておきます。
Wise
上記2社のバックアップとして用意しておきます。特に外貨引き出し用のバックアップとして、無料枠の額ぐらいはチャージしておこうかと思います。
これに替えてGLOBAL PASSでもよいでしょうけど、敢えてこの未知のサービスを使ってみようと思いました。Citibankは以前口座を持っていたのですが、日本撤退のときに閉鎖してしまったんですよね...。
クレジットカード
外貨決済は基本的に上記3つで大丈夫と思いますが、まあ予備としてクレカも持っていきます。Amazonカードは結構DECLINEされるので、楽天カードのほうが良いかもですね。
現金
今回の英国ツーリング、さすがに現金ゼロは無理でした。
現金は、特にランドリー関係では必要で、またパーキング関係でも必要な場面(バイクは無料のことが多いがゼロではない)もあるかもしれません。
額は現地の感覚で1万円ぐらい、英国なら常に£100ぐらいを持っておけばよいかなと思います。
現地に入ったら、最初の大きな都市のATMで引き出しをしておこうと思います。
なお、デビットカード会社からのATM手数料はゼロでも、ATM運営金融機関が別途ATM使用料をチャージしてくるらしいので、それは必要経費と考えることにします。
